レベル1ジャッジを目指す人へのおススメ(2013 1月版)
2013年2月8日 TCG全般 コメント (1)レベル3ジャッジのBrian Schenckさんが、レベル1を目指す人へのおススメを
MTGRULES-Lというメーリングリストに毎月投稿している記事の抄訳です。
(翻訳の誤りは自分に帰属します)
本記事は先月(12月)に行われたレベル1テストのレビューからのまとめになります。
2012年も終わったので、昨年を通しての傾向と10のトピックを紹介します。
これらのおススメは一般公開可能なものですので、どんどん利用してください。
L1テスト自体は非公開機密情報なので問題自体を話し合うことはできませんが、これらのおススメは一般的な指針として試験対策やジャッジとしての再確認に利用できます。
まずは、昨年の成績を振り返ってみましょう。
1243人のL1が私たちジャッジの仲間になりました。
L1テストの合格率は84.3%、合格者の平均点は85.5%。これはなかなか良い点数です。今年も続けていきましょう。
反対に、不合格者の平均点数は58.5、基本ルールやポリシーに関するいくつかの弱点があるようです。つまりL1テストに合格するのは、それほど難しいものではありません。基本が重要ということです。
では今月のトピックを見ていきましょう。
(1) 2HG
L1ジャッジは、このフォーマットに関して知るべきです。とりわけ、開始時のライフの値、戦闘の挙動(攻撃も守備もチームで行われます)、またリミテッド形式でのいくつのキーワードをどのように処理するか、時間切れとなったときに何ターンの追加ターンがあるか。などの基本的な事柄です。これらはライフの値の交換やら追加のステップ/フェーズがどのようになるかといった難解な情報ではありません。このフォーマットのいくつかの機能的な質問に答えられる理解が必要です。
(2) "重大な問題"
全てのL1ジャッジはREL一般イベントでの"重大な問題"を指摘できる必要があります。たとえば、いかさま、盗難、マッチ結果の無作為な方法での決定。全てのジャッジは、これらの問題に対してプレイヤーに警告/指導でき、また、しなくてはいけません。
もし起きてしまった場合、そのプレイヤーを失格させなくてはいけないことを理解してください。
失格を格下げすることは有害であり、あやまったメッセージを伝えることになります。
(3)「アヴァシンの帰還」のキーワード能力:奇跡と結魂
L1ジャッジは奇跡能力のタイミング、とりわけ奇跡能力を持つカードを唱えさせる誘発能力にプレイヤーがどう対応することができるかを理解しなくてはいけません。また、結魂の組を選択するタイミングや、どのクリーチャーが結魂できるかを理解してください。これらは「アヴァシンの帰還」のFAQに載っているので、現行セットのFAQに目を通しましょう。
(4)クリーチャーの特性値:能力とP/T(パワー/タフネス)
能力は、だいたいタイムスタンプ順に適用されます。P/Tはレイヤーを理解する必要があります。これらは基本ルールブックに出ていない事柄ですが、Judge Wikiや経験で学べます。
(5)イベントにおける時間
リミテッド形式でのデッキ構築時間、1ラウンドに許されている時間などです。トーナメントルール(Magic Tournament Rule)の付録Bを参照してください。
(6)誘発能力の処理の仕方
L1は最低限、誘発能力がスタックに置かれる際にしなくてはならない選択、と、解決時に行う選択、を理解してください。これらは対戦相手は対応して行動するためには、誘発能力が何を対象にしているのかを知ることが必要ということです。
誘発能力をスタックに置くことは、呪文を唱えてスタックに置くことと同じと理解していれば大丈夫です。
(7)起動型能力への理解
いったん起動された起動型能力は、それに対応して、その能力の発生源が破壊されたとしてもうち消されないという点はとりわけ重要です。起動型能力を起動することは呪文を唱えるのと同様な順序があるということ、能力の発生源を破壊しても影響を受けないという点を理解しましょう。いったん起動されたら、その発生源とは独立に解決します。(破壊されていたら、その"最後の情報”を参照するだけです)。
(8) 戦闘
戦闘フェイズの各ステップの名前、各ステップで何がおきるかを知ること、と同じ特定のキーワード能力が戦闘フェイズに影響することを認識しなくてはいけません。たとえば、接死、トランプル、先制攻撃など、です。
とりわけリミテッド形式において、戦闘がこのゲームの重点を占めるにつれて、能力がどのように働くか、どのように行動をとることができるか、というプレイヤーからの質問が増えるでしょう。そのため戦闘に関するルールをよく知ってください。
(9) "よくある間違い"をどう扱うか
呪文を唱えるに際し間違いがあるなら、ジャッジは不適正な行動は巻き戻されることを知る必要があります。しかし、誤りに気付くのが遅れた場合、(もう巻き戻せないので)ゲームの状態はそのままにしておかなくてはいけません。
REL競技においては違反となりえる状況であっても、REL一般での扱いは異なります。その点において各RELでの違いを認識する必要があり、REL一般とは、"重大な問題"を除いて処罰を行うのではなく、プレイヤーの理解を深めるようにする機会ということを理解してください。
(10) 最後は、スタックです。
L1ジャッジは、スタックがどのよう機能するか、つまり、呪文や能力が「スタックに置かれる」こと、解決は「スタックの上から」行われること、を理解してください。各オブジェクトが前のオブジェクトの上に積まれており、あるオブジェクトをスタックから取り除くためには、一番上に積まれているオブジェクトを先に取り除かなくてならない、というイメージです。
各呪文、能力は一つづつ解決されるので、プレイヤーはある呪文に「対応して」別の呪文を唱えることができ、その解決後、最初の呪文を解決する前に、別の呪文を唱えられます。
以上です。ちょっと多いけどね!
L1試験の合格点は正解率7割です。今回の10個は確実に手助けになることでしょう。
これらは概念のすべてではありませんが、試験に向けて、そしてジャッジとして、知っておきたいルール/ポリシーです。
まずは簡単な問題から、より難しい問題に挑戦してみましょう。
(いつもの繰り返しになりますが)ジャッジセンターの簡単練習、とL1練習(L1 practice)を受けておいた方が良いでしょう。
補足事項:
前回分⇒http://jackpot7.diarynote.jp/201212240226448089/
ルールについては MJMJ。ルールの一覧で最新ルールが確認できます。
http://mjmj.info/
WPN通信もおススメ
34回 http://mtg-jp.com/reading/wpn/001093/
36回 http://mtg-jp.com/reading/wpn/001125/
39回 http://mtg-jp.com/reading/wpn/001262/
110回 http://mtg-jp.com/reading/wpn/003576/
112回 http://mtg-jp.com/reading/wpn/003604/
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